「ハンナの祈りより」
サムエル記第一2章1〜10節
"ハンナは祈った。「私の心は主にあって大いに喜び、私の角は主によって高く上がります。私の口は敵に向かって大きく開きます。私があなたの救いを喜ぶからです。
主のように聖なる方はいません。まことに、あなたのほかにはだれもいないのです。私たちの神のような岩はありません。
おごり高ぶって、多くのことを語ってはなりません。横柄なことばを口にしてはなりません。まことに主は、すべてを知る神。そのみわざは測り知れません。
勇士が弓を砕かれ、弱い者が力を帯びます。
満ち足りていた者がパンのために雇われ、飢えていた者に、飢えることがなくなります。不妊の女が七人の子を産み、子だくさんの女が、打ちしおれてしまいます。
主は殺し、また生かします。よみに下し、また引き上げます。
主は貧しくし、また富ませ、低くし、また高くします。
主は、弱い者をちりから起こし、貧しい者をあくたから引き上げ、高貴な者とともに座らせ、彼らに栄光の座を継がせます。まことに、地の柱は主のもの。その上に主は世界を据えられました。
主は敬虔な者たちの足を守られます。しかし、悪者どもは、闇の中に滅び失せます。人は、自分の能力によっては勝てないからです。
主は、はむかう者を打ち砕き、その者に天から雷鳴を響かせられます。主は地の果ての果てまでさばかれます。主が、ご自分の王に力を与え、主に油注がれた者の角を高く上げてくださいますように。」"
●3節
おごり高ぶって、多くのことを語ってはなりません。横柄なことばを口にしてはなりません。まことに主は、すべてを知る神。そのみわざは測り知れません。
●伝道者の書 5章2~7節
"神の前では、軽々しく心焦ってことばを出すな。神は天におられ、あなたは地にいるからだ。だから、ことばを少なくせよ。
仕事が多ければ夢を見、ことばが多ければ愚かな者の声となる。
神に誓願を立てるときには、それを果たすのを遅らせてはならない。愚かな者は喜ばれない。誓ったことは果たせ。
誓って果たさないよりは、誓わないほうがよい。
あなたの口が、あなた自身を罪に陥らせないようにせよ。使者の前で「あれは過失だ」と言ってはならない。神が、あなたの言うことを聞いて怒り、あなたの手のわざを滅ぼしてもよいだろうか。
夢が多く、ことばの多いところには空しさがある。ただ、神を恐れよ。"
●マタイの福音書 26章62~64節
"そこで大祭司が立ち上がり、イエスに言った。「何も答えないのか。この人たちがおまえに不利な証言をしているのは、どういうことか。」
しかし、イエスは黙っておられた。そこで大祭司はイエスに言った。「私は生ける神によっておまえに命じる。おまえは神の子キリストなのか、答えよ。」
イエスは彼に言われた。「あなたが言ったとおりです。しかし、わたしはあなたがたに言います。あなたがたは今から後に、人の子が力ある方の右の座に着き、そして天の雲とともに来るのを見ることになります。」"
主は大祭司の尋問に対して、無駄なことを語らず、必要なときに必要なことだけを語られました。
まさに「然り」は「然り」、「否」は「否」であると。
その沈黙が、またその一言で、いのちの危険に晒されようと、主はご自分の前に置かれた十字架への道を、ひたすらに歩まれたのでした。
私たちも必要なときに必要なことだけを語り、自分の知恵や言葉のテクニックによって言い逃れる場所をつくったり、失敗することの保証を自らつくることのないようにしましょう。
ただ十字架への道を歩まれた主に心を注いでまいりましょう。
【祈り】
クリスティアン・フュルヒテゴット・ゲッレールト (ドイツ詩人、1715〜1769)
主よ、私を強くしてください。
あなたのご受難を深く考えることができるように。
あらゆる罪から私たちを救い出そうと
あなたを動かした愛の海に私を沈めてください。
あなたの十字架はこの世の賢い者たちにとっては、
不快で愚かなことであるのを知っています。
どれほど厳しいあざけりが浴びせられるとしても、
私にとってあなたの十字架は神の知恵です。