アビメレクは三年間イスラエルを支配したとある。エルバアルことギデオンが死に、その子アビメレクが暴虐に走って、イスラエルはまたも混乱に陥った。
それ以来、この聖書記者は「主」という神の名を使わず、「神」ということばを使っている。その時のイスラエルの状態を表しているのか、それとも主と彼らの関係が遠くなったことを意味しているのか。
何れにしても、アビメレクはシェケム人たちと行き違いになり、双方とも滅びていく。その理由として、神がわざわいの霊をアビメレクとシェケムの住民に送られたと記されている。
ここで神はわざわいの霊を操るのかという、疑問が起きてくるのではないだろうか。しかし、これは、主から神と読み替えられているように、彼らと主との関係が遠くなっていることによって起こってくる悪霊または悪魔の働きである。
これは神が彼らを見放したのではなく、彼らが神を捨てたのである。そのとき、彼らに近寄るのは神に敵対する闇の力である。
あなたと主は今どんな関係だろうか。あなたにとって神は主だろうか。主は神だろうか。知らず知らずのうちに、神を不要として遠くに追いやっていないだろうか。
私たちが日々「試みに会わせず悪より救い出したまえ」と祈るのは、神による訓練としての試練だけでなく、私たち自身が神から離れて、そこに悪い者が近づくことにならないためでもある。
今日、もう一度、あなたと主との関係を考えてみよう。もし告白してない罪があるなら、すぐに告白し、悔い改めよう。そのように神との関係性を最前に保ち、わざわいの霊からお守りくださいと祈ろう。
"もし私たちが自分の罪を告白するなら、神は真実で正しい方ですから、その罪を赦し、私たちをすべての不義からきよめてくださいます。"
ヨハネの手紙 第一 1章9節
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