のりさん牧師のブログ

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「貧しい人たちに」マルコ10章13〜22節

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 "13さて、イエスに触れていただこうと、人々が子どもたちを連れて来た。ところが弟子たちは彼らを叱った。
14イエスはそれを見て、憤って弟子たちに言われた。「子どもたちを、わたしのところに来させなさい。邪魔してはいけません。神の国はこのような者たちのものなのです。
15まことに、あなたがたに言います。子どものように神の国を受け入れる者でなければ、決してそこに入ることはできません。」
16そしてイエスは子どもたちを抱き、彼らの上に手を置いて祝福された。
17イエスが道に出て行かれると、一人の人が駆け寄り、御前にひざまずいて尋ねた。「良い先生。永遠のいのちを受け継ぐためには、何をしたらよいでしょうか。」
18イエスは彼に言われた。「なぜ、わたしを『良い』と言うのですか。良い方は神おひとりのほか、だれもいません。
19戒めはあなたも知っているはずです。『殺してはならない。姦淫してはならない。盗んではならない。偽りの証言をしてはならない。だまし取ってはならない。あなたの父と母を敬え。』」
20その人はイエスに言った。「先生。私は少年のころから、それらすべてを守ってきました。」
21イエスは彼を見つめ、いつくしんで言われた。「あなたに欠けていることが一つあります。帰って、あなたが持っている物をすべて売り払い、貧しい人たちに与えなさい。そうすれば、あなたは天に宝を持つことになります。そのうえで、わたしに従って来なさい。」
22すると彼は、このことばに顔を曇らせ、悲しみながら立ち去った。多くの財産を持っていたからである。"
マルコの福音書 10章13~22節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

 

 神の国に入るための基準は何でしょうか。当時のユダヤ人の間では、子どもは愚かであるとされ、金持ちは神に祝福されている証しであると思われていました。

 ですから、イエスのところに子どもたちが来たときに、弟子たちが叱ったというのは、当時の一般的な大人の子どもたちに対する態度を代表していると言っても良いのです。

 その対応には誰も、可愛そうだとか、行き過ぎた態度だとは思わなかったということです。しかし、イエスは子どもたちを叱る彼らに「憤った」と言われています。それは、小さな彼らこそ、また皆んなから愚かだと思われている彼らこそ、神の国の王子であり王女だからです。

  一方、金持ちの青年に対しては、一貫してイエスの態度は冷たく思えます。しかし、それはイエスの青年に対する教育的指導だったのです。イエスは青年に対しては、「いつくしんで言われた」ように、慈しみをもっておられたことがわかります。

  律法をすべて守っていると自負している人に対しては、イエスは一見厳しい態度を取られます。そして、言われます。

 

「あなたに欠けていることが一つあります。帰って、あなたが持っている物をすべて売り払い、貧しい人たちに与えなさい。そうすれば、あなたは天に宝を持つことになります。そのうえで、わたしに従って来なさい。」

 

   ここの「貧しい」とは、文字通りの意味であると解釈できます。自分には落ち度がないと思っていた青年は、「永遠のいのちに相応しいのはあなたです」と 言われることを期待していたと思われます。しかし、イエスの回答は全財産を売って、それを必要としている人々に与えなさいということでした。それは、この青年は「何をしたら」永遠のいのちを得られるかと、救いの手段を行いに置いていたからです。しかも、自信満々であった。しかし主は、救われるに相応しいのは、お金をたくさん持っていることでも、良い行いを積むことでもなく、まず自分が霊的に貧しい者であることに気がつくように、この青年に応えられたのです。彼は、悲しんで帰って行きました。

  ここにも「心の貧しい者 は幸いです。天の御国はその人たちのものだから」という山上の説教のメッセージがリンクしているのです。

 

  イエスが認める神の国の国民とは、自分の罪を認め、神のきよさに自分自身では達し得ないことを受け入れる人です。

  もし、私たちが自分の貧しさに気づかずに、自分で神に近づけると思っているなら、この青年と同じことばをイエスから言われるでしょう。しかし、子どもたちのように、親に依存しなければ生きていけない、愚かなものと言われることを受け入れるなら、あなたは神の国に招かれています。

  大切なことは、高慢を捨てて、へりくだること。神の前にありのままの自分を認め、イエスの救いにすがることです。

 

「15まことに、あなたがたに言います。子どものように神の国を受け入れる者でなければ、決してそこに入ることはできません。」

 

"なぜなら、もしあなたの口でイエスを主と告白し、あなたの心で神はイエスを死者の中からよみがえらせたと信じるなら、あなたは救われるからです。人は心に信じて義と認められ、口で告白して救われるのです。"
ローマ人への手紙 10章9~10節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会