のりさん牧師のブログ

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2020年7月8日(水)きょうのみことば

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列王記 第二 11章
1,アハズヤの母アタルヤは、自分の子が死んだと知ると、ただちに王の一族全員を滅ぼした。
2,しかし、ヨラム王の娘で、アハズヤの姉妹のエホシェバは、殺される王の子たちの中からアハズヤの子ヨアシュをこっそり連れ出し、寝具をしまう小部屋にその子とその乳母を入れた。人々が彼をアタルヤから隠したので、彼は殺されなかった。
3,彼は乳母とともに、主の宮に六年間、身を隠していた。その間、アタルヤが国を治めていた。
4,七年目に、エホヤダは人を遣わして、カリ人と近衛兵それぞれの百人隊の長たちを主の宮の自分のもとに来させ、彼らと契約を結んで主の宮で彼らに誓いを立てさせ、彼らに王の子を見せた。
5,彼は命じた。「あなたがたのなすべきことはこうだ。あなたがたのうちの三分の一は、安息日に務めに当たり、王宮の護衛の任務につく。
6,三分の一はスルの門に、もう三分の一は近衛兵舎の裏の門にいるように。あなたがたは交互に王宮の護衛の任務につく。
7,あなたがたのうち二組は、みな安息日に務めに当たらない者であるが、主の宮で王の護衛の任務につかなければならない。
8,それぞれ武器を手にして王の周りを囲め。その列を侵す者は殺されなければならない。あなたがたは、王が出るときにも入るときにも、王とともにいなさい。」
9,百人隊の長たちは、すべて祭司エホヤダが命じたとおりに行った。彼らは、それぞれ自分の部下たちを、安息日に務めに当たる者も、安息日に務めに当たらない者も、祭司エホヤダのところに連れて来た。
10,祭司は百人隊の長たちに、主の宮にあったダビデ王の槍と丸い小盾を与えた。
11,近衛兵たちはそれぞれ武器を手にして、神殿の右側から神殿の左側まで、祭壇と神殿に向かって王の周りに立った。
12,エホヤダは王の子を連れ出し、王冠をかぶらせ、さとしの書を渡した。こうして人々は彼を王と宣言し、彼に油を注ぎ、手をたたいて「王様万歳」と叫んだ。
13,アタルヤは近衛兵と民の声を聞いて、主の宮の民のところに行った。
14,彼女が見ると、なんと、王が定めのとおりに柱のそばに立っていた。王の傍らに隊長たちやラッパ奏者たちがいて、民衆がみな喜んでラッパを吹き鳴らしていた。アタルヤは自分の衣を引き裂き、「謀反だ、謀反だ」と叫んだ。
15,祭司エホヤダは、部隊を委ねられた百人隊の長たちに命じた。「この女を列の間から連れ出せ。この女に従って来る者は剣で殺せ。」祭司が「この女は主の宮で殺されてはならない」と言ったからである。
16,彼らは彼女を取り押さえた。彼女が馬の出入り口を通って王宮に着くと、彼女はそこで殺された。
17,エホヤダは、主と、王および民との間で、彼らが主の民となるという契約を結ばせ、王と民との間でも契約を結ばせた。
18,民衆はみなバアルの神殿に行って、それを打ち壊した。彼らはその祭壇と像を徹底的に打ち砕き、バアルの祭司マタンを祭壇の前で殺した。祭司エホヤダは主の宮に管理人を置いた。
19,彼は百人隊の長たち、カリ人、近衛兵たちと民衆すべてを率いた。彼らは王を主の宮から連れて下り、近衛兵の門を通って王宮に入った。王は王の座に着いた。
20,民衆はみな喜んだ。アタルヤは王宮で剣で殺され、この町は平穏となった。
21,ヨアシュは七歳で王となった。

 

 エフーが王となった北イスラエル王国に対して、その南にはユダ王国がありました。北王国イスラエルでは、歴代、幾つもの王朝が起こされ、その都度立てられた王様によってイスラエル王国を治めていましたが、南のユダ王国は唯一ダビデ王朝だけで、代々ユダ王国を治めていました。ところが、そのダビデ王朝のユダ王国も一度だけ、ダビデの血筋ではない人が王であった時があったのです。しかも女性の王というのも彼女だけです。それがアタルヤでした。

 アタルヤについては、既に8章で説明がありました。

 

"アハズヤは二十二歳で王となり、エルサレムで一年間、王であった。彼の母の名はアタルヤといい、イスラエルの王オムリの孫娘であった。
彼はアハブの家の道に歩み、アハブの家に倣って主の目の前に悪であることを行った。彼自身、アハブ家の婿だったからである。"列王記 第二 8章26~27節


 アタルヤは、北イスラエル王国のあのアハブとイゼベルの娘でしたので、その悪影響を受けて育ったと思われます。ユダにおいて自分の息子アハズヤが死ぬと、何と他のダビデ王朝の一族をみな殺したのです。そして、その王座に自分が就くという恐ろしい事態となったのです。

 北イスラエル王国で王朝がころころ変わっても、そんなに大きなことではないかも知れません。でも、ユダ王国ダビデ王朝が途切れることは、大変大きな意味があります。それは、真のイスラエルを治めるメシア、救い主がダビデの血筋から生まれることになっていたからです。これは神様による救いの計画でした。アタルヤは、その神様の計画を妨害したのです。ですから、アタルヤのしたことは悪魔的な行動だったと言えます。

 しかし、彼女を蛇の如く用いて神の計画を妨害しようとする悪魔の策略も、アタルヤにとっては、義理の娘にあたるエホシェバの起点によって打ち破られます。エホアハズの子の幼きヨアシュを乳母とともに神殿の中に匿い助けたのです。

 きっとエホシェバは、自分がしたことがこのあとどのような展開になるのかまではわからなかったでしょう。しかし、彼女のしたことが、全人類を救ったと言っても過言ではないほどのことであったことは、新約の時代を生きる私たちにはわかります。

 そうです。エホシェバは単にヨアシュを助けただけではなかったのです。そのあとに生まれるイエス・キリストをも助け、神の救いの計画が果たされるために用いられたのでした。

 ここに、神様のくすしい摂理が見えるのと同時に、そこに用いられる人が必ず配置されていることにも気づかされます。祭司エホヤダもその一人でした。

 私たちの人生においても、不思議と私たちが神様から離れないために、近くに置かれている人はいないでしょうか。悪魔の働きを阻止して、あなたが主のものとして歩み続けられるために、あなたの近くに置かれている主の伏兵のような存在の人はいないでしょうか。

 その人自身は、そのことには気づいていないと思いますが、神様があなたを愛して、あなたが一人ぼっちにならず、滅びてしまわないために、神様が配置してくださっているのです。

 きょう三つのことを感謝しましょう。一つは悪魔的なアタルヤによってダビデ王朝が滅ぼされかけましたが、神様の不思議な配慮と摂理によってエホシェバが用いられ阻止され、そこから主イエス様が生まれ、私たちの救いを完成されたこと。二つ目は、同じようにあなたにもエホシェバのような存在の人があって今、救われ、神のものとされ、今もなお、その人を通して神の支えがあること。三つ目は、あなたもエホシェバのように誰かのために用いられているということです。それは、あなたにはその自覚はないかもしれません。でも、それはエホシェバも同じでした。

 それで良いのです。知らないうちに誰かの救いのため、神様の業のために用いられることほど嬉しいことはありません。なぜならば、そのようにして私もあなたもダビデ王朝の中に、救い主イエス様の中に招かれているからです。

 悪が蔓延りがっかりするようなことの中にある、主の揺るぎないご支配への希望を持って、きょうも歩ませていただきたいと思います。

 

"善を行って、愚かな者たちの無知な発言を封じることは、神のみこころだからです。
自由な者として、しかもその自由を悪の言い訳にせず、神のしもべとして従いなさい。"ペテロの手紙 第一 2章15~16節