"キリストは弱さのゆえに十字架につけられましたが、神の力によって生きておられます。私たちもキリストにあって弱い者ですが、あなたがたに対しては、神の力によってキリストとともに生きるのです。"
コリント人への手紙 第二 13章4節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
キリストは弱くなってくださいました。どこまでも弱くなられました。いのちのパンであられるのに飢えてくださいました。生ける水であられるのに渇いてくださいました。天地の主であられるのに見捨てられ、軽蔑され、打たれてくださいました。あざけられても十字架から降りないでいてくださいました。
受難節はキリストの弱さを見つめる季節です。キリストの弱さの中に、神の力があります。キリストは御父に信頼しとおして、ご自分は無力でいることができる。私たちを愛し通して、ご自分をむなしくすることがおできになる。
父よ、どうか私たちを主イエスとともに生かしてください。
●フィリップ・メランヒトン(1497〜1560)の祈り。
主イエス・キリスト、全能の神の子
永遠の父の御姿、神にして人なる方よ
あなたは十字架の上で、私たちの罪のために死に
死からよみがえり、永遠に生きて支配し
私たちの仲保者、憐れみの源となられました。
あなたは「疲れた者ら重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう」と仰せになりました。
主よ。願わくは、私たちに憐れみを与え
私たちの罪を消し去り
私たちのための調停者となってください。
私たちは罪深い者ですから。
私たちを義とし、聖霊をもってきよめ
永遠のいのちに導いてください。
主よ。願わくは、御助けによって
私たちが悪に勝つことができますように。
「女の子孫は蛇の頭を砕く」と書かれているとおりに。
主イエス・キリスト、全能の神の子よ
あなたは「わたしは羊たちに永遠のいのちを与える。彼らは決して滅びず、誰も彼らを私の手から奪うことはできない」とお語りくださいました。
【参考文献】
小泉健『十字架への道』日本キリスト教団出版局、2019年