コリント人への手紙第一2章1節~5節
1Cor. 2:1 兄弟たち。私があなたがたのところに行ったとき、私は、すぐれたことばや知恵を用いて神の奥義を宣べ伝えることはしませんでした。
1Cor. 2:2 なぜなら私は、あなたがたの間で、イエス・キリスト、しかも十字架につけられたキリストのほかには、何も知るまいと決心していたからです。
1Cor. 2:3 あなたがたのところに行ったときの私は、弱く、恐れおののいていました。
1Cor. 2:4 そして、私のことばと私の宣教は、説得力のある知恵のことばによるものではなく、御霊と御力の現れによるものでした。
1Cor. 2:5 それは、あなたがたの信仰が、人間の知恵によらず、神の力によるものとなるためだったのです。
エレミヤ書15章15節~21節
Jer. 15:15 「主よ、あなたはよくご存じです。 私を思い起こし、私を顧み、 迫害する者たちに、私のために復讐してください。 あなたの御怒りを遅くして、 私を取り去らないでください。 私があなたのためにそしりを受けていることを 知ってください。Jer. 15:16 私はあなたのみことばが見つかったとき、 それを食べました。 そうして、あなたのみことばは、私にとって 楽しみとなり、心の喜びとなりました。 万軍の神、主よ、 私はあなたの名で呼ばれているからです。
Jer. 15:17 私は、戯れる者がたむろする場に座ったり、 喜び躍ったりしたことはありません。 私はあなたの御手によって、 ひとり座っていました。 あなたが私を憤りで満たされたからです。
Jer. 15:18 なぜ、私の痛みはいつまでも続き、 私の打ち傷は治らず、 癒えようもないのでしょう。 あなたは、私にとって、欺く小川の流れ、 当てにならない水のようになられるのですか。」
Jer. 15:19 それで、主はこう言われた。 「もし、あなたが帰って来るなら、 わたしはあなたを帰らせ、 わたしの前に立たせる。 もし、あなたが、卑しいことではなく、 高貴なことを語るなら、 あなたはわたしの口のようになる。 彼らがあなたのところに帰ることがあっても、 あなたは彼らのところに帰ってはならない。
Jer. 15:20 この民に対して、わたしはあなたを 堅固な青銅の城壁とする。 彼らは、あなたと戦っても勝てない。 わたしがあなたとともにいて、 あなたを救い、あなたを助け出すからだ。 ──主のことば──
Jer. 15:21 わたしは、 あなたを悪しき者たちの手から救い出し、 横暴な者たちの手から贖い出す。」
パウロは、地上を歩まれた主イエスにお会いしていないのだから使徒ではないと批判されました。しかし、そのような批判とは反対に、パウロは「十字架につけられたキリストのほかには、何も知るまい」と心に決めていました。キリストが私のために十字架についてくださったこと。それこそが神の奥義です。そしてすべてのことは十字架の光の中で初めて明らかになります。
私たちは日ごとに黙想をしながらみことばを食べています。何度でも口ずさんで繰り返し反芻し、魂の中に蓄えます。十字架の言葉が私たちの喜びであり誇りだからです。
●エリック・ミルナー(1884~1963)の祈り。英国国教会の司祭、神学者、従軍牧師。
主キリスト、神の小羊、主の主よ
聖なる者となるように召されている私たちを
あなたの十字架の道へと召し出してください。
私たちの王のもとに近づいていこうとしている私たちを
あなたの十字架のみもとに引き寄せてください。
御前に進み出る資格のない私たちを
あなたの十字架の赦しによってきよめてください。
無知で愚かな私たちを
あなたの十字架の学校で教えてください。
聖なる戦いのために私たちを
あなたの十字架の力で武装させてください。
あなたの苦しみにあずからせ、私たちを
あなたの十字架の勝利へと持ち運んでください。
あなたの栄光の御国で、私たちを
あなたの十字架のしもべの一人に数えてください。
【参考文献】小泉健『十字架への道』(日本キリスト教団出版局、2019年)