のりさん牧師のブログ

おもに聖書からのメッセージをお届けします。https://ribenmenonaitobaishikirisutojiaohui.webnode.jp/

神の宮でなすべきすべての仕事を完了する

歴代誌 第二
4章
1,彼はまた、青銅の祭壇を造った。その長さは二十キュビト、幅は二十キュビト、高さは十キュビトであった。
2,それから、彼は鋳物の「海」を造った。縁から縁まで十キュビトの円形で、高さは五キュビト。周囲は測り縄で巻いて三十キュビトであった。
3,その下に沿って、牛の像が周囲を取り巻いていた。一キュビトにつき十ずつの割合で「海」の周りを取り巻いていた。この牛は二段になっていて、「海」を鋳たときに鋳込んだものである。
4,「海」は十二頭の牛の上に据えられていた。三頭は北を向き、三頭は西を向き、三頭は南を向き、三頭は東を向いていた。「海」はこれらの牛の上に載せられていて、牛の後部はすべて内側を向いていた。
5,「海」の厚さは一手幅あり、その縁は杯の縁のように、ゆりの花の形をしていた。その容量は三千バテであった。
6,彼はまた、洗うための洗盤を十個造り、五個を右側に、五個を左側に置いた。その中で全焼のささげ物に用いるものがすすぎ清められた。「海」は祭司たちが身を洗うためのものであった。
7,また、金の燭台十個を規定にしたがって作り、本殿の中に、五個を右側、五個を左側に置いた。
8,机を十個作り、それを本殿の中に、五個を右側、五個を左側に置いた。それから金の鉢を百個作った。
9,さらに祭司たちの庭と大庭、およびその庭の戸を造り、その戸を青銅でおおった。
10,「海」は右側、すなわち、東南の方角に置いた。
11,さらに、フラムは灰壺と十能と鉢を作った。こうして、フラムは、ソロモン王のために神の宮でなすべきすべての仕事を完了した。
12,すなわち、二本の柱と、二本の柱の頂にある丸い柱頭、および柱の頂にある丸い二つの柱頭をおおう二つの格子細工、
13,また、二つの格子細工に取り付ける四百個のざくろ、すなわち、柱の先端にある丸い二つの柱頭をおおうそれぞれの格子細工のための二段のざくろ
14,また、台を作り、その台の上の洗盤を作り、
15,「海」一つと、その下の十二頭の牛、
16,灰壺と十能と肉刺し、およびそれらに属するすべての物を、職人の長フラムがソロモン王のため、主の宮のために、磨き上げた青銅で作った。
17,王は、ヨルダンの低地、スコテとツェレダの間の粘土の地でこれらを鋳造した。
18,ソロモンはこれらすべての用具を大量に作った。青銅の重さは量られなかった。
19,また、ソロモンは神の宮にあるあらゆる物を作った。金の祭壇と、臨在のパンを載せる金の机、
20,内殿の前で火をともすための燭台と、その上のともしび皿を、規定にしたがって純金で作った。
21,また、金の飾り花、ともしび皿、芯切りばさみを作った。それは混じりけのない金であった。
22,芯取りばさみ、鉢、平皿、火皿を純金で作った。神殿の入り口は、至聖所に通じる扉と、神殿の本殿に通じる扉を金で作った。

 

 ソロモン王は、父ダビデの意思を受け継ぎモリヤの山に神殿を建設します。聖書はその様子を事細かに記しています。寸法、装飾などもきちんと記録しています。

 それを作ったのは、3章からの流れを見ると、それはソロモンであったことがわかります。ですから、この4章においての「彼」とはソロモンのことであると言って間違いないでしょう。

 ところが、今日読んでいる4章の途中11節に突然「フラム」という人物の名前が出てきます。そして、そのフラムが「神の宮でなすべきすべての仕事を」していたことがわかります。

 ここで、ようやくソロモン自身が神殿を作っていたのではなく、職人に作らせていたことが、あらためて確認させられるのです。

 そのことは、聖書の読者であれば、誰もがそう思っていたことではないでしょうか。でも、そのことを忘れて、ソロモンは父ダビデの後継者として、神殿建設を丁寧に果たしているところに思いを置いてしまいます。

 しかし聖書は、その忘れた頃に、ポロっと、この人の存在を忘れないでねと言わんばかりに、個人名を挟むのです。

 ちなみにこのフラムとは、2章で既にその名は出ていました。ソロモンが神殿建設にあたり様々な建築材料を仕入れていたツロのヒラム王の言葉の中です。ヒラムは建築資材等だけではなく、実は人員もソロモンに遣わしていたのです。

 しかも、ただ職人としてスキルの高い人というだけではなく、このフラムは、父はツロの人でしたが、母はイスラエル人ダン族の出身でした。

 

"今、私は判断力に恵まれた熟練工、職人の長フラムを遣わします。
彼は、ダンの子孫の女を母とし、ツロの人を父としていて、金、銀、青銅、鉄、石材、木材の細工、および紫織物、青織物、亜麻布、紅織物の製造を心得、委ねられればどのような彫り物も、どのような設計も行うことができる人物です。彼は、あなたの熟練工たち、私の主でありあなたの父であるダビデの熟練工たちとともに働きます。"
歴代誌 第二 2章13~14節


 

 ダン族は約束の地の分配で、イスラエルの北方面を充てがわれた部族ですので、外国であるツロとの接点にありました。それで外国人との交流があったことがわかります。その経緯は想像の域を超えませんが、好意的に見れば、そのことを神様が備えておられたとも考えることができます。

 もしかしたら、外国人との結婚はイスラエル人として恥ずべきことだったかも知れませんが、そのことを神様はこのとき用いられた。すなわち残念に見えることを神の栄光の中に取り込まれて益としてくださったということです。

 そのフラムは、母の出身国であるイスラエルで、今まさにイスラエル人としてのアイデンティティである主なる神の神殿のために汗を流しているのです。

 その神の宮での仕事はフラムにとってソロモンのためになすべき仕事でした。ソロモンのためにするということは、私たちが神の栄光を表すために御子キリストに従うのと同じことです。

 それは、私たちもキリストの弟子としてキリストのためにする業が私たちの業ではなく、キリストの業であるからです。

 フラムの誠実で丁寧な献身はソロモンの事業として記録されました。私たちもキリストの弟子として、誠実で丁寧な献身をしたいと思います。それは、私の名を残すためではなく、キリストの御名が崇められ、すべて神の国の栄光となることが目的だからです。

 今日も私たちは新しい神の国の建設のために生かされております。あらためて、その中で働くことのできる喜びを確認して、キリストのために、そして全てを完了するまで、神のためにささげてまいりましょう。