エレミヤ書 17章9～10節
"人の心は何よりもねじ曲がっている。それは癒やしがたい。だれが、それを知り尽くすことができるだろうか。
わたし、主が心を探り、心の奥を試し、それぞれその生き方により、行いの実にしたがって報いる。」"
人間の心には罪が住み着いており、それを人間自身の手で直すことは不可能です。そのことをアウグスティヌスは原罪と言いました。この神のことばを与ったエレミヤも、自らの心の陰険さや遣わされているユダ王国の人々の神に逆らう姿を通して、その罪についての真理を受け取りつつ、神からの言葉として、このみことばを書き残したことでしょう。
私たちには、生まれつきその性質があるので、悪いとわかっていても、つい犯してしまうのです。でも、人間には、その心を正しく探ることもできなければ、変えることも不可能です。
私がある人のことを殺したいと思ったとしても、その罪の心を隠すことはできます。ある人のものを欲しいと貪る思いを持っても、うまく誤魔化して生きることができます。
しかし、それらの心の中の状態すら、聖なる神の前には罪であり、神のさばきの下にあることを知らなければなりません。神は私たちの心を探り、心の奥を試し、それぞれの生き方により、その行いの実に従って報いるお方だからです。誰が、その心を探られ、また行いの実によって報いる聖なるさばきに耐えられるでしょうか。
でも神は、そのさばきから免れる方法を新たに設けてくださいました。それが御子キリストによる十字架の身代わりのの死と復活です。
"キリストは、今の悪の時代から私たちを救い出すために、私たちの罪のためにご自分を与えてくださいました。私たちの父である神のみこころにしたがったのです。" ガラテヤ人への手紙 1章4節
キリストの十字架の贖いは、私たちを罪のさばき、苦しみから救うだけでなく、悪からも救います。それは、キリストの十字架が悪魔に対する完全な勝利のしるしでもあるからです。神が蛇に語られた「彼はおまえの頭を打ち」がここに成就したのです。
このキリストは全く罪のない人間としてこの地上を歩まれましたが、その正しいお方が私たちの罪を全て負ってくださった。だから、信じる私たちは、そのキリストの正しさを着て神の前に立つことができるようにされたのです。
"あなたがたはみな、信仰により、キリスト・イエスにあって神の子どもです。
キリストにつくバプテスマを受けたあなたがたはみな、キリストを着たのです。" ガラテヤ人への手紙 3章26～27節
しかし、それだけではありません。キリストを着た私たちは、このからだも復活したキリストのように、死んだあとに新しいからだでよみがえることができ、またこの地上を歩んでいる間も、キリストのような心に、またその行いができるように変えられるのです。それは、キリストを私の主として、このお方に倣いたいという聖化の歩みです。
それは、キリストを信じたときに与えられる神の霊が、そのように生きようとする私たちを助け、造り変えてくださるからです。
"私たちはみな、覆いを取り除かれた顔に、鏡のように主の栄光を映しつつ、栄光から栄光へと、主と同じかたちに姿を変えられていきます。これはまさに、御霊なる主の働きによるのです。"
コリント人への手紙 第二 3章18節
このようにして、神は罪に絶望する私たちに救いの道を備えてくださいました。あなたもぜひキリストをあなたの救い主と信じて、罪から解放され、さばきにあうことがない新しい心とからだを得る神からの救いを受け取ってください。
"すなわち、イエス・キリストを信じることによって、信じるすべての人に与えられる神の義です。そこに差別はありません。
すべての人は罪を犯して、神の栄光を受けることができず、
神の恵みにより、キリスト・イエスによる贖いを通して、価なしに義と認められるからです。"
ローマ人への手紙 3章22～24節
