のりさん牧師のブログ

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北海道開拓の歴史を学ぶこと

北海道が北海道という名がつけられて開拓が始まったのは、明治の開始とほぼ同じ時期です。

 

北海道開拓の父と呼ばれる松浦武四郎が、その名付け親と言われていますが、1868年に北海道という名が公式に始まったのでした。

 

しかし、北海道はそもそも蝦夷地と呼ばれ、徳川幕府や明治政府が支配する以前から、アイヌの土地でした。アイヌの土地でしたと言うと語弊があります。アイヌは国を持たないので、北海道全域がアイヌ王国ではなかったので、そこを正式に行政府を置いたのが日本だった。だからそもそもアイヌの土地ではないという見方もあるからです。

 

しかしアイヌのコタンがいくつも点在していたわけですから、そのコタンを集約するアイヌとしての行政府がなかったとはいえ、そのような形態のアイヌの国であったとも言えるのではないでしょうか。国という定義を私たちの常識で決めつけて、自分を正当化するのは乱暴です。そのことは、アメリカやオーストラリアの開拓等にも言えるでしょう。

 

そのようなアイヌのことを無視して北海道開拓はないのです。だから、北海道開拓の歴史を学ぶ時、開拓者たちの偉業を讃えたい気持ちはわかりますが、元々暮らしていたアイヌを虐げ駆逐したことを無視して開拓のみをそのまま賞賛することはできません。

 

開拓者たちの業績は業績として評価しますが、それによってそこに元々暮らしていた人たちが住処を失うことになったとしたら、その開拓は侵略とも言えることを弁えるべきです。

 

自分は開拓民の子孫だとか、先祖は屯田兵だったという方にとって、ご先祖様は誇りでしょう。でも、その影に泣いていた人々がいたことを抜きにして、自分たちの歴史を賞賛だけで終わらせてはならないのです。

 

あらためて、北海道開拓の歴史にある、蓋をしてはいけない事実を事実として学び、そこから未来に繋がる同じ人間としての平和的なあり方を模索しつつ、ともに神が与えてくださった救いの希望を受け取っていきたいものです。