"これらのことをあなたがたに話したのは、あなたがたがわたしにあって平安を得るためです。世にあっては苦難があります。しかし、勇気を出しなさい。わたしはすでに世に勝ちました。」"
ヨハネの福音書 16章33節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
この世には試練があり、挫折があり、争いや葛藤があります。病気への不安、老いていくことの不安、そして死の不安があるでしょう。また、生きることにも不安はあります。そこには勇気が必要です。危険や痛みや反対に立ち向かい、生きていく勇気が必要です。
私たちは苦しみの多いいのちを生きている現実があります。しかし、主イエスは罪と死を打ち負かし滅ぼしてくださいました。だから苦しみは一時のこと過ぎ去ることになり、最後のこと、決定的なことではなくなりました。
「勇気を出す」と訳された言葉は、聖書の他の箇所では「安心する」、「元気を出す」とも訳されています。それは、主イエスがあの十字架の苦しみ、また十字架に向かう全ての歩みを通して、信じる私たちを脅かす全てのものに勝利してくださったからです。
今日も主イエスのものとされているがゆえに、安心して神様から元気をいただき、勇気をいただきつつ歩ませていただこうではありませんか。
●トマス・ア・ケンピス(1380〜1471)の祈り
主よ、あなたの尊い御名を私の心に書き記してください。
その御名が深く心に彫りつけられて、繁栄も、逆境も、あなたの愛から私を引き離すことがありませんように。
どうか私にとって、堅固な砦でいてください。
試練の時の慰め手、悩みの日々の助け手、苦しむ時のいと近き助け。
この世の多くの誘惑と危険の中で、天の御国への導き手でいてください。
【参考文献】
小泉健『十字架への道』日本キリスト教団出版局、2019年